## ルソーの学問芸術論の読者
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18世紀のヨーロッパ社会
ルソーの「学問芸術論」は、1750年にディジョンアカデミーの懸賞論文に応募した作品として発表されました。
この時代背景を考えると、読者は当時のヨーロッパ社会に属する人々であったと考えられます。
具体的には、知識人、学者、貴族、聖職者など、当時の社会において教育を受け、書物を読む機会があった人々が想定されます。
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アカデミー会員と知識人たち
ルソーは「学問芸術論」をディジョンアカデミーの懸賞論文として提出しました。
そのため、アカデミー会員はこの作品の一次的な読者であったことは間違いありません。
また、この論文は出版され、広く読まれることとなりました。
当時の知識人たちの間で、ルソーの提起した問題や主張は大きな議論を巻き起こしました。
彼らはルソーの論に賛同したり、反論したりしながら、当時の社会や文化について深く考えるきっかけを得たことでしょう。
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啓蒙主義者と反啓蒙主義者
「学問芸術論」は、啓蒙主義の思想と深く関わっています。
ルソー自身も啓蒙主義者の一人として考えられていますが、その一方で、啓蒙主義の限界や問題点についても鋭く指摘しています。
そのため、当時の啓蒙主義者たちは、ルソーの主張を自分たちの思想と照らし合わせながら読んだと考えられます。
また、啓蒙主義に批判的な立場をとる人々も、ルソーの論に注目しました。
彼らは、ルソーの主張を自分たちの立場を補強する材料として利用しようとしました。