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ルソーの学問芸術論の発想

## ルソーの学問芸術論の発想

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ディジョンのアカデミー懸賞論文への応募

1749年、ディジョンのアカデミーが「学問芸術の復興は風俗の浄化に貢献したか」というテーマで懸賞論文を募集しました。ルソーはこのテーマを見て衝撃を受けたとされています。なぜなら、彼はそれまで学問や芸術の進歩は人間を幸福にするものだと疑いなく信じていたからです。このテーマとの出会いは、ルソーにそれまでの常識を疑わせ、独自の考察を深めるきっかけとなりました。

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社会における「徳」の重視

ルソーは当時の社会を観察する中で、学問や芸術の進歩と道徳性の退廃が並行していると感じていました。彼は人間本来の善良な nature(自然)が、社会制度や文明によって腐敗させられていると考えました。そして、学問や芸術は人間の虚栄心を満たし、贅沢や享楽を助長することで、この腐敗を促進していると考えたのです。

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古代ギリシャ・ローマへの憧憬

ルソーは古代ギリシャ・ローマの共和制社会に理想的な社会モデルを見ていました。そこでは、市民は質素で勇敢であり、公共心に溢れ、共通の善のために尽くしていました。ルソーは、学問や芸術が発展する以前の素朴な社会においてこそ、真の徳が実現されると考えたのです。

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自然状態における人間の善良さ

ルソーは人間は本来、自己保存と憐れみの心を持つ善良な存在だと考えました。そして、社会契約によって形成された国家や、それに伴う所有の概念、競争社会などが、人間の自然な状態を腐敗させたと主張しました。学問や芸術もまた、この腐敗に加担していると考えたのです。

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