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ルソーの学問芸術論の対称性

## ルソーの学問芸術論の対称性

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問いへの回答

「ルソーの学問芸術論」は、一見すると非対称な構造を持つように見えます。しかし、いくつかの観点から対称性を指摘できる部分も存在します。

まず、ルソーは序論において、学問と芸術が道徳を腐敗させたというテーゼを提示します。そして本文では、まず古代ギリシャやローマ、スパルタといった古代社会における学問と芸術の影響を論じ、次に近代ヨーロッパ社会における学問と芸術の影響を論じていきます。この古代と近代という二項対比的な構造は、一種の対称性を生み出していると言えるでしょう。

さらに、ルソーは古代と近代の双方において、学問と芸術がもたらす肯定的な側面と否定的な側面を論じています。例えば、古代社会においては、学問と芸術は市民の徳を育む一方で、奢侈と堕落をもたらしたとルソーは論じています。また、近代社会においては、学問と芸術は啓蒙主義的な進歩をもたらした一方で、虚栄心や社会的不平等を助長したとルソーは論じています。このように、ルソーは学問と芸術の両義性を対比的に論じることで、一種の対称性を生み出していると言えるでしょう。

しかしながら、「ルソーの学問芸術論」全体の構造は、必ずしも完全な対称性を示しているわけではありません。ルソーは近代社会における学問と芸術の影響について、古代社会におけるそれよりもはるかに多くのページを割いて論じています。また、ルソーの議論は、常に論理的な整合性を保っているわけではなく、時に感情的な訴えかけや修辞的な技巧に頼っている部分も見られます。

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