ルソーの告白
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表現の特徴
ルソーの『告白』は、18世紀フランス啓蒙主義を代表する思想家ジャン=ジャック・ルソーによる自伝です。この作品は、従来の自伝の形式を大きく逸脱し、ルソー自身の内面を赤裸々に綴った点に最大の特徴があります。
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詳細な内面描写
ルソーは自らの思考、感情、欲望、夢などを、包み隠さず克明に描写しています。彼の内面はしばしば矛盾や葛藤に満ちており、当時の社会規範から逸脱した性的嗜好についても率直に告白しています。
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告白という形式
作品全体が「告白」という形式をとっており、読者に対して直接語りかけるような文体が用いられています。ルソーは自らの罪や過ちを告白することで、読者の理解と赦しを得ようとしているように見えます。
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感情表現の豊かさ
ルソーは喜怒哀楽、羞恥心、罪悪感など、様々な感情を繊細かつ劇的に表現しています。自然描写や音楽描写も多く、彼の感受性の豊かさが伺えます。
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自己中心的視点
『告白』はあくまでもルソーの主観に基づいて書かれており、彼自身の視点からしか物事を捉えていません。そのため、客観性に欠ける部分や自己弁護的な記述も見られます。
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修辞技法
ルソーは比喩、反語、対句など、様々な修辞技法を駆使して文章に力強さを与えています。また、劇的な場面展開や印象的なエピソードを効果的に配置することで、読者を引き込むことに成功しています。