ルクセンブルグの資本蓄積論の関連著作
マルクス『資本論』
ローザ・ルクセンブルクの『資本蓄積論』は、カール・マルクスの主著『資本論』に対する批判的な継承として位置づけられます。『資本論』は、資本主義経済の構造と矛盾を、労働価値説に基づいて分析した壮大な著作です。ルクセンブルクはマルクスの分析を高く評価しつつも、資本主義の再生産過程における実現問題、特に剰余価値の実現問題について、独自の理論を展開しました。
レーニン『帝国主義論』
ウラジーミル・レーニンの『帝国主義論』は、資本主義の発展段階としての帝国主義を分析した著作です。レーニンは、資本主義の矛盾が先進国における資本輸出と植民地獲得競争を通じて、帝国主義戦争を引き起こすと主張しました。ルクセンブルクはレーニンの帝国主義論に影響を受けつつも、資本主義の崩壊は必然ではなく、プロレタリアートの革命闘争によってのみ達成されると考えていました。
ブハーリン『帝国主義と世界経済』
ニコライ・ブハーリンの『帝国主義と世界経済』も、帝国主義を分析した重要な著作です。ブハーリンは、帝国主義を国家独占資本主義の段階として捉え、国家間の経済的・政治的な対立が激化すると主張しました。ルクセンブルクはブハーリンの分析にも一定の評価を与えつつも、帝国主義を資本主義の最終段階とみなす点には反対していました。
ヒルファディング『金融資本論』
ルドルフ・ヒルファディングの『金融資本論』は、資本主義における銀行と産業の融合、すなわち金融資本の形成を分析した著作です。ヒルファディングは、金融資本が経済を支配し、帝国主義政策を推進すると主張しました。ルクセンブルクはヒルファディングの金融資本論を高く評価し、『資本蓄積論』においてもその影響が見られます。
カウツキー『ベルンシュタインと社会民主主義綱領』
カール・カウツキーの『ベルンシュタインと社会民主主義綱領』は、エドゥアルト・ベルンシュタインの修正主義に対する批判として書かれた著作です。ベルンシュタインは、資本主義が徐々に社会主義へと移行していくと主張し、マルクスの革命論を否定しました。ルクセンブルクもベルンシュタインの修正主義を批判し、革命による資本主義の打破を主張しました。