ルイスのナルニア国物語の選択
登場人物の選択
C・S・ルイスのナルニア国物語では、登場人物たちは幾度となく倫理的、道徳的な選択を迫られます。
例えば、「ライオンと魔女と洋服だんす」では、エドマンドは、白い魔女の甘い誘惑に屈し、兄弟を裏切ってしまいます。彼は、ターキッシュデライトと引き換えに、ナルニアの王になれるという約束を信じ、家族を裏切るという道を選んでしまいました。
一方、ピーター、スーザン、ルーシーは、アスランを信じ、ナルニアのために戦うことを選びます。彼らは、目先の利益よりも、正義と勇気を重んじる道を選びました。
善悪の選択
ナルニア国物語では、善と悪の戦いが重要なテーマとなっています。登場人物たちは、常にどちらの側につくか、どちらの道を進むかを選択しなければなりません。
「カスピアン王子のつのぶえ」では、カスピアン王子は、テルマール人の圧政からナルニアを解放するために立ち上がります。彼は、古いナルニアの伝説を信じ、アスランに助けを求めることを選びます。
一方、ミラース卿は、自分の野心のためにテルマール人と手を組み、ナルニアを支配しようとします。彼は、権力と支配を追い求め、邪悪な道に進んでしまいます。
信仰の選択
ナルニア国物語は、キリスト教的な価値観を色濃く反映した作品です。登場人物たちは、目に見えない存在であるアスランを信じるかどうか、信仰の道に進むかどうかの選択を迫られます。
「馬と少年」では、シャスタは、奴隷としての生活から逃れ、自由を求めてナルニアを目指します。彼は、アスランの導きを信じ、困難な旅を乗り越えていきます。
「朝びらき丸 東の海へ」では、ユースチスは、最初はナルニアの世界を信じませんでしたが、竜に変身させられる経験を通して、自分の傲慢さに気づき、アスランに助けを求めるようになります。
これらの選択は、登場人物たちの成長や運命を大きく左右するだけでなく、読者自身の価値観や人生観にも問いかけるものとなっています。