ルイスのナルニア国物語の秘密
ナルニア世界の創造と終焉
ナルニア世界は、白い巨像タスランによって歌によって創造されました。これは『魔術師のおい』で語られており、タスランの歌が世界を形作り、星々や動物たちを生み出していく様子が描かれています。
一方、ナルニア世界の終焉は『最後の戦い』で描かれます。邪悪な猿シフトがライオンの姿をしたロバを欺瞞に使い、ナルニアの人々を唆した結果、世界の終末が訪れます。しかし、これは単なる終末ではなく、真のナルニア、つまり私たちの世界よりも現実味を増したナルニアへの入り口でもありました。
アスランの存在
アスランはナルニア世界の創造主であると同時に、キリスト教におけるイエス・キリストを象徴する存在です。彼は慈愛と正義に満ち溢れ、ナルニアの人々を導き、守ります。
アスランは常に直接的な介入をせず、子供たちに試練を与え、彼らが自ら成長するのを促します。彼は『ライオンと魔女』でエドマンドの罪を償うために自らを犠牲にするなど、キリスト教的な自己犠牲のテーマを体現しています。
キリスト教的寓意
ルイス自身も認めているように、ナルニア国物語にはキリスト教的な寓意が色濃く反映されています。
例えば、『ライオンと魔女』は、アスランの犠牲と復活を通して、キリストの贖罪を象徴的に描いています。また、エドマンドの背信と悔い改めは、人間の罪深さと神の赦しを表現しています。
ただし、ルイスはナルニア国物語を単純なキリスト教の教訓物語としてではなく、子供たちが想像力を掻き立てられ、善悪について考えさせられるような物語として創造しました。