## リースマンの孤独な大衆の発想
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社会類型論
リースマンは著書「孤独な大衆」の中で、社会の変遷とともに人間の性格構造が変化していくという「社会類型論」を展開しました。彼は歴史的に見て、伝統指向型、内部指向型、他人指向型という三つの主要な社会類型が存在すると主張しました。
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伝統指向型
伝統指向型の人々は、古い慣習や伝統的な価値観に強く束縛され、自らの行動規範をそこから見出します。彼らは変化を嫌い、共同体への帰属意識が強く、前近代的な社会に特徴的な類型です。
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内部指向型
内部指向型の人々は、幼少期に形成された内面的な価値観や倫理観に基づいて行動します。彼らは伝統に盲従するのではなく、自らの良心や信念に従って判断し、行動します。近代社会において増加した類型と言えます。
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他人指向型
他人指向型の人々は、周囲の人々からの承認や期待を強く意識し、それに合わせて自らの行動を調整しようとします。彼らは流行や世間の目を気にし、常に他人との調和を重視します。リースマンは、高度に工業化され、消費社会へと変貌を遂げた現代社会において、この他人指向型の人々が台頭していると指摘しました。
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孤独な大衆
リースマンは、他人指向型の増加によって、人々は皮肉にも「孤独な大衆」へと変貌していくと主張しました。他人からの承認を求めて常に周囲に気を配り、同調を強いられる社会では、人々は真の意味での繋がりや深い人間関係を築くことが難しくなると考えたのです。