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リヴィウスのローマ建国史を読む前に

リヴィウスのローマ建国史を読む前に

古代ローマの歴史的背景を理解する

リヴィウスはローマ建国から西暦1世紀までの約700年間の歴史を叙述しており、その中には王政ローマ、共和政ローマ、そして帝政ローマ初期の時代が含まれています。彼の作品をより深く理解するためには、各時代の政治体制、社会構造、文化などを知っておくことが重要です。

例えば、王政ローマ期には、王、元老院、民会という三つの権力機関が存在し、それぞれが異なる役割を担っていました。共和政ローマ期に入ると、王は廃止され、執政官や護民官などの新しい役職が設けられ、より複雑な政治システムが構築されました。

リヴィウスの立場と歴史観を考慮する

リヴィウスはアウグストゥス帝の時代に活躍した歴史家であり、彼の作品は当時の政治状況や思想の影響を受けています。アウグストゥスは内乱の続いた共和政ローマを帝政へと移行させた人物であり、リヴィウスは彼の治世を理想的な時代として描こうとする傾向が見られます。

また、リヴィウスは歴史を道徳的な教訓を伝える手段として捉えており、彼の作品にはローマの伝統的な価値観である勇気、忠誠心、正義などが強調されています。彼の歴史叙述には客観性や正確性に欠ける部分もあることを踏まえ、批判的な視点を持つことが大切です。

主要な登場人物と出来事を把握する

リヴィウスの『ローマ建国史』には、ロムルスとレムス、ヌマ・ポンピリウス、セルウィウス・トゥッリウス、タルクィニウス・スペルブスといったローマ建国にまつわる伝説的な人物や、共和政期の英雄であるキンキナトゥス、ファビウス・マクシムス、スキピオ・アフリカヌスなどが登場します。

また、サビニの女たちの略奪、ガリア人のローマ侵略、サムニウム戦争、ピュロス戦争、ポエニ戦争といった重要な歴史的事件も描かれています。これらの登場人物や出来事について事前にある程度の知識を持っておくことで、『ローマ建国史』の内容をよりスムーズに理解することができます。

ローマの地理と地図を把握する

ローマはイタリア半島の中部に位置し、ティベール川沿いに発展した都市です。共和政ローマ期には、イタリア半島全域から地中海世界へと勢力を拡大していきました。

『ローマ建国史』には、ローマとその周辺地域、そしてローマが征服した地域に関する記述が数多く登場します。当時の地理を把握し、地図を参照しながら読み進めることで、リヴィウスの記述をより具体的にイメージすることができます。

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