リヴィウスのローマ建国史の関連著作
古代ローマの歴史書
* **ポリュビオス『歴史』**
ギリシャ人の歴史家ポリュビオス(紀元前200年頃 – 紀元前118年頃)による『歴史』は、ローマが地中海世界の大国へと成長していく過程を描いた重要な史書です。リウィウスと同時代の出来事も扱っており、特にハンニバル戦争(紀元前218年-紀元前201年)に関する記述は、リウィウスの記述を補完する貴重な資料となっています。ポリュビオスはローマの政治体制や軍事戦略を高く評価しており、ローマの成功の要因を分析しています。
* **サッルスティウス『カティリーナの陰謀』『ユグルタ戦記』**
サッルスティウス(紀元前86年 – 紀元前35年)は、共和政ローマ末期の政治家であり、歴史家でもありました。彼の著作『カティリーナの陰謀』は、紀元前63年に発生したカティリーナによる国家転覆未遂事件を、’ユグルタ戦記’は紀元前111年から紀元前104年にかけてのヌミディア王ユグルタとの戦争を描いています。サッルスティウスは簡潔で力強い文体で、共和政ローマの腐敗や没落を描写しました。
* **タキトゥス『年代記』『歴史』**
タキトゥス(56年頃 – 117年頃)は、帝政ローマ初期の歴史家です。彼の主著『年代記』と『歴史』は、アウグストゥス帝の死(14年)からドミティアヌス帝の死(96年)までの約100年間のローマ史を扱っています。タキトゥスは、帝政初期の政治的陰謀や権力闘争を鋭く描写し、支配者たちの野心や残虐性を批判的に描いています。
* **スエトニウス『ローマ皇帝伝』**
スエトニウス(69年頃 – 122年頃)は、帝政ローマの官僚であり、歴史家でもありました。彼の代表作『ローマ皇帝伝』は、カエサルからドミティアヌスまでの12人のローマ皇帝の伝記をまとめたものです。スエトニウスは、皇帝たちの政治や軍事における業績だけでなく、私生活や性格、逸話なども詳しく記録しています。
現代の研究書
* **T.J.コーネル『世界の歴史を繙いた〈ローマ建国史〉』**
古代ローマ史研究の第一人者であるT.J.コーネルによる本書は、リウィウスの『ローマ建国史』を詳細に分析し、その歴史的意義や文学的価値を明らかにしたものです。リウィウスの史観や創作方法、史料批判、後世への影響など、多角的な視点から考察しています。
* **メアリー・ビアード『SPQR: ローマ帝国の歴史』**
イギリスの歴史学者メアリー・ビアードによる本書は、古代ローマの歴史を、政治、軍事、社会、文化など多角的に解説したものです。リウィウスの記述も参照しながら、ローマ帝国の興隆と衰退を描き出しています。