## リヴィウスのローマ建国史の美
リウィウスの筆致の美しさ
リウィウスは古典ラテン語の達人であり、その文章は明快さ、力強さ、そして優雅さで知られています。歴史的出来事を生き生きと描写する彼の能力は、読者を古代ローマの世界に引き込みます。戦闘シーンの描写は特に鮮やかで、読者はまるで戦場に立っているかのような臨場感を味わえます。また、リウィウスは登場人物の心理描写にも長けており、彼らの行動の動機や感情を深く理解することができます。
物語としての面白さ
リウィウスはローマ建国から自身の時代に至るまでの壮大な歴史を、まるで壮大な叙事詩のように描いています。彼は単に事実を羅列するのではなく、登場人物の葛藤や愛憎、陰謀や裏切りなどを織り交ぜることで、歴史をドラマティックに描き出しました。その結果、「ローマ建国史」は歴史書であると同時に、非常に面白い物語としても読むことができます。
教訓と道徳
リウィウスは歴史を単なる過去の出来事としてではなく、現代人への教訓として捉えていました。彼は「ローマ建国史」を通して、ローマ人の美徳（virtus）である勇気、忠誠心、自制心などを称賛し、読者に模範となるべき人物像を提示しました。また、リウィウスはローマの繁栄と衰退の原因を分析することで、読者に歴史から学ぶことの重要性を訴えかけています。
ローマに対する愛情
リウィウスは「ローマ建国史」を通して、祖国ローマに対する深い愛情を表現しています。彼はローマの建国神話や英雄伝説を誇らしげに語り、ローマ人が成し遂げてきた偉業を称賛しています。また、リウィウスはローマが直面する危機や困難についても率直に描写していますが、そこにはローマの未来を案じる патриотиズム が見て取れます。