リヴィウスのローマ建国史の機能
リウィウスの目的
リウィウスは、自著『ローマ建国史』の序文において、読者に対して、ローマがいかにして世界の支配者たる地位にのぼりつめたのか、その過程を探るよう促しています。彼は、ローマの過去の栄光だけでなく、道徳の退廃についても探求し、読者が歴史から教訓を得ることを期待していました。
歴史書としての役割
『ローマ建国史』は、ローマ建国からリウィウスの時代までの約700年間のローマ史を網羅した大著です。リウィウスは、膨大な資料を駆使し、可能な限り史実に忠実であろうと努めました。
政治的な機能
リウィウスは、アウグストゥス帝の治世下に『ローマ建国史』を執筆しました。アウグストゥスは、内乱の続く共和制ローマに終止符を打ち、帝政を開始しました。『ローマ建国史』は、ローマの伝統的な価値観を称賛することで、アウグストゥスの統治を正当化する役割を果たしたと考えられています。
文学作品としての側面
『ローマ建国史』は、歴史書であると同時に、優れた文学作品でもあります。リウィウスは、登場人物の心理描写や劇的な表現を用いることで、歴史的事実を生き生きと描き出しました。彼の文体は、後世の作家たちに多大な影響を与えました。
道徳的指針
リウィウスは、『ローマ建国史』を通じて、読者に道徳的な教訓を伝えようとしました。彼は、ローマの過去の偉人を称賛する一方で、彼らの失敗から学ぶことの重要性を強調しました。リウィウスは、道徳の衰退がローマ衰退の原因であると信じていました。
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