## リヴィウスのローマ建国史の対称性
リウィウスの歴史観と対称性
リウィウスは、ローマ建国史において、ローマの栄光と衰退という対照的な歴史を描き出すことで、読者に歴史から教訓を学ぶことを促しています。 しかし、リウィウスの描く対称性は、単純な歴史の繰り返しや因果応報に留まりません。彼は、ローマ人の美徳と悪徳、運命と自由意志、共和政と帝政など、様々な対立軸を交錯させながら、複雑で重層的な歴史叙述を展開しています。
建国神話と共和政末期の対比
ローマ建国史の冒頭を飾るロムルスとレムスの物語は、兄弟間の対立と殺害という悲劇的な出来事から始まります。これは、共和政末期の内乱とカエサルの暗殺という終末期の混乱と破滅を暗示しているかのようです。 また、初期ローマ人の質実剛健さと、共和政末期の贅沢と堕落という対比も、リウィウスが意図的に描いた対称性の一つと言えるでしょう。
対称性を強調する文学的技法
リウィウスは、対称性を強調するために、様々な文学的技法を駆使しています。 例えば、登場人物の演説や行動を対比させたり、象徴的な出来事を対照的に配置することで、歴史の反復と変化を浮き彫りにしています。 また、叙述の速度を調整することで、重要な転換点や対照的な場面を効果的に強調しています。