Skip to content Skip to footer

リヴィウスのローマ建国史の入力と出力

## リヴィウスのローマ建国史の入力と出力

###

入力

リウィウスが『ローマ建国史』執筆において用いた資料については、断片的にしか現存していないため、断定的に語ることは困難です。しかしながら、現存する断片や古代の他の著述家の言及などから、以下のような資料を入力としていたことが示唆されます。

* **年代記(アンナレス):** ローマの政治史を年代順に記録した公文書。執政官の氏名や主な出来事を簡潔に記したものと推測されます。特に、初期ローマ史においては重要な資料源であったと考えられています。
* **公文書:** 元老院の議事録や条約文、法令など、国家が作成・保管していた公式文書。リウィウスはこれらの文書を直接参照して、史実の正確性を期していた可能性があります。
* **過去の歴史書:** リウィウス以前にも、ローマの歴史を扱った歴史書は存在しました。特に、ギリシャ語で書かれたファビウス・ピクトルやポリュビオスなどの歴史書は、リウィウスに影響を与えた可能性があります。
* **伝承・伝説:** ローマ建国神話や英雄譚、旧家伝承など、口承で伝えられてきた物語群。リウィウスは、これらの伝承を史実と区別せず、ローマ人の精神性を表現する素材として積極的に用いました。
* **個人的見聞:** リウィウスは、アウグストゥス帝の治世下で活躍した人物であり、当時の政治・社会状況を直接見聞きしていました。そのため、『ローマ建国史』には、当時の時代背景やリウィウス自身の思想が反映されている可能性があります。

###

出力

リウィウスの『ローマ建国史』は、ローマ建国から紀元前9年までの約750年間の歴史を、全142巻という膨大な量で描いた歴史書です。しかしながら、現存するのは35巻のみで、残りは断片的にしか残っていません。

* **現存する部分:**
* 第1巻~第10巻:ローマ建国から紀元前293年までの歴史
* 第21巻~第45巻:紀元前218年から紀元前167年までの歴史(ハンニバル戦争など)

* **散逸した部分:**
* 第11巻~第20巻
* 第46巻~第142巻

現存する部分から、『ローマ建国史』は以下のような特徴を持つ作品であったことが分かります。

* **壮大な歴史叙述:** リウィウスは、ローマの歴史を建国神話から叙述することで、ローマの栄光と衰退を壮大なスケールで描き出しました。
* **劇的な描写力:** リウィウスは、歴史的事実を単に羅列するのではなく、登場人物の心理描写や会話文を巧みに用いることで、臨場感あふれる物語として再構成しました。
* **教訓性を重視:** リウィウスは、『ローマ建国史』を通して、過去の偉大な人物や出来事を描くことで、読者に道徳的な模範を示し、愛国心を高めようという意図を持っていました。

リウィウスの『ローマ建国史』は、古代ローマ最大の文学作品の一つと評価されており、その歴史観や文学性は後世に多大な影響を与えました。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5