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リヴィウスのローマ建国史に関連する歴史上の事件

## リヴィウスのローマ建国史に関連する歴史上の事件

ローマの建国(紀元前753年)

リウィウスの『ローマ建国史』は、その名の通りローマの建国から始まる壮大な歴史書です。伝説では、ロムルスとレムスという双子の兄弟によって、紀元前753年にローマが建設されたとされています。リウィウスは、この建国神話をはじめ、ローマ初期の王政時代を詳細に描写しています。彼は、ロムルスによるローマの建設、サビニの女たちの拉致、ヌマ・ポンピリウスによる宗教制度の確立、タルクィニウス・プリスクスによるローマの拡張など、ローマの建国と初期の発展における重要な出来事を鮮やかに描き出しています。

共和政ローマの成立(紀元前509年)

ローマは王政時代を経て、紀元前509年に共和政へと移行します。リウィウスは、最後の王タルクィニウス・スペルブスの暴政と、ルクレティアの悲劇をきっかけに、ブルータスやコラティヌスらによって王が追放され、共和政が樹立された経緯を劇的に描写しています。彼は、共和政初期の混乱期、例えば、ウォルスキ族やエクィ族、サビニ族といった周辺部族との度重なる戦争、氏族間の対立、平民と貴族の身分闘争などを描きながら、ローマ人が共和政の理念である自由と平等のために戦い、徐々に強固な国家へと成長していく過程を明らかにしています。

サムニウム戦争(紀元前343年 – 紀元前290年)

サムニウム戦争は、ローマがイタリア半島における覇権を確立する上で重要な転換点となった一連の戦争です。リウィウスは、3次にわたるサムニウム人との戦いを克明に記録し、ローマの軍事戦略、政治体制、社会構造が、度重なる戦争を通じて如何に変化し、強固なものへと発展していったかを明らかにしています。特に、カウディウムの戦いをはじめとするローマ軍の敗北と、そこから立ち直り、最終的な勝利を収めるまでの過程は、ローマ人の不屈の精神と、逆境に学ぶ能力を如実に示すものとして、リウィウスによって印象的に描かれています。

ピュロス戦争(紀元前280年 – 紀元前275年)

ピュロス戦争は、ローマが初めてギリシアの強力な君主と戦った戦争として知られています。リウィウスは、エピロスのピュロス王との戦いを描写し、ローマ軍の規律と組織力の高さを示すと同時に、ピュロス王の軍事的天才と、ギリシア式戦術の脅威を明らかにしています。特に、ヘラクレアの戦いにおけるピュロス王の戦象部隊の投入は、ローマ軍に大きな衝撃を与え、辛くも勝利したものの、多大な犠牲を強いられることになりました。リウィウスは、ピュロス戦争を通じて、ローマが地中海世界における新たな強国として台頭していく過程を描き出しています。

ポエニ戦争(紀元前264年 – 紀元前146年)

ポエニ戦争は、ローマとカルタゴの間で繰り広げられた3次にわたる大規模な戦争です。リウィウスは、ハンニバルのアルプス越え、カンネーの戦いにおけるローマ軍の壊滅的な敗北、スキピオ・アフリカヌスによるザマの戦いでの勝利など、ポエニ戦争の決定的瞬間を劇的に描写しています。彼は、ハンニバルの軍事的天才と、ローマに対する執念深い憎しみ、そして、ローマ側のファビウス・マクシムスの持久戦術、スキピオの戦略的才能、ローマ市民の祖国防衛への断固たる意志など、両陣営の対照的な側面を鮮やかに描き出しています。

共和政の危機と終焉(紀元前133年 – 紀元前27年)

リウィウスの『ローマ建国史』は、共和政ローマ末期の混乱期についても詳しく記録しています。グラックス兄弟の改革、マリウスとスッラの内乱、スパルタクスの奴隷反乱、カエサルの台頭と暗殺、アントニウスとオクタウィアヌスの対立など、共和政ローマを揺るがした一連の事件は、リウィウスによって克明に記録されています。彼は、共和政末期の政治腐敗、社会不安、絶え間ない内乱などを描き出し、ローマが共和政の理念を見失い、内部分裂によって自滅へと向かっていく過程を明らかにしています。

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