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リヴィウスのローマ建国史と言語

リヴィウスのローマ建国史と言語

リウィウスと「ローマ建国史」について

ティトゥス・リウィウス(紀元前59年頃 – 17年頃)は、帝政初期のローマで活躍した歴史家です。彼の代表作である「ローマ建国史」(Ab Urbe Condita Libri)は、ローマ建国から紀元前9年のドルーススの死までを描く、全142巻にも及ぶ大作でした。

現存する部分と散逸

「ローマ建国史」は、残念ながら全巻が完全な形で現存しているわけではありません。現在、私たちが読むことができるのは、全142巻のうち35巻のみです。

* 第1巻から第10巻:ローマ建国から紀元前293年までの記述
* 第21巻から第45巻:第二次ポエニ戦争(紀元前218年 – 紀元前201年)を含む、紀元前292年から紀元前219年までの記述

残りの107巻は散逸してしまいましたが、一部の内容は、古代の著述家による引用や要約、中世に作成された写本などを通して、断片的に知ることができます。

リウィウスの言語:古典ラテン語の円熟

リウィウスは、古典ラテン語の黄金期に活躍した作家の一人とされ、彼の文章は、その洗練された文体と豊かな表現で知られています。

* キケロやカエサルといった、先行する古典期作家たちの影響を受け継ぎつつ、独自の文体を確立しています。
* 明快さと力強さを兼ね備えた、流れるような文章が特徴です。
* 歴史的出来事を劇的に描写することに長け、登場人物の心理描写も巧みに行っています。

修辞技法と文体

リウィウスは、その文章の中で多様な修辞技法を駆使し、読者に強い印象を与えることに成功しています。

* 対句法や反復法を効果的に用いることで、文章にリズムと力強さを与えています。
* 比喩や擬人化などの表現技法も多用し、歴史的出来事をより生き生きと描写しています。
* 雄弁な演説を作品中に数多く挿入することで、歴史的場面の緊張感や高揚感を表現しています。

「ローマ建国史」における言語の重要性

リウィウスは、「ローマ建国史」を単なる歴史書としてではなく、ローマ人の道徳心を高揚させ、愛国心を鼓舞するための作品として構想していました。

* 彼の洗練された文体と巧みな表現技法は、読者に強い感動を与え、ローマの過去に対する共感を呼び起こすことを目的としていました。
* 歴史的出来事や人物描写を通して、ローマ人の美徳である勇気、忠誠心、正義などを称揚しています。
* 「ローマ建国史」は、その文学的価値の高さから、後世の作家들에게大きな影響を与え、ラテン文学の傑作の一つとして、現代でも高く評価されています。

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