## リストの政治経済学の国民的体系の対称性
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対称性に関する記述の欠如
フリードリヒ・リストの主著『政治経済学の国民的体系』において、**明確な形で「対称性」という概念が論じられることはありません**。 リストは国家間の経済的な力関係や、発展段階の異なる国家間における自由貿易の是非などについて論じていますが、それらの議論においても、対称性という概念を正面から取り上げることはありません。
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国家間における力関係の非対称性
リストは、国際的な自由貿易がもたらす影響は、**国家間の経済力や発展段階によって異なる**ことを繰り返し主張しています。
発展段階の低い国が、すでに工業化を達成した先進国と同じ土俵で自由競争にさらされれば、後発国は不利な立場に立たされ、経済的な従属を強いられる可能性が高いとリストは考えました。
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「国民的」な視点の強調
リストは、経済政策を立案する際には、個々の国家の置かれた状況や、将来的に達成すべき目標を考慮する必要があると主張しました。
これは、普遍的な法則に基づいて経済活動を捉えようとする古典派経済学の立場とは大きく異なる点です。
これらのことから、リストの思想においては、**国家間の経済的な相互作用は、本質的に非対称的なものである**という認識が前提となっていると考えられます。
しかし、繰り返しになりますが、リスト自身が対称性という概念について明示的に論じているわけではありません。