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リストの政治経済学の国民的体系に匹敵する本

## リストの政治経済学の国民的体系に匹敵する本

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アダム・スミスの「国富論」

「諸国民の富の性質と原因についての研究」、通称「国富論」は、1776年に出版されたアダム・スミスによる経済学の古典です。この書は、経済学を独立した学問分野として確立した先駆的な著作とされ、現代経済学の基礎を築いた重要な書物として広く認識されています。

「国富論」で展開されるスミスの主張は多岐にわたりますが、中でも特筆すべきは、分業の重要性と「見えざる手」の概念でしょう。スミスは、分業こそが生産性向上と経済成長の鍵であると論じ、ピン工場の例を挙げながら、作業の専門化がもたらす効率性の高さを具体的に示しました。また、「見えざる手」は、個人が自身の利益を追求することで、結果として社会全体の利益にも繋がるという考え方を表しています。これは、自由放任主義経済を支持する根拠として、後の経済思想にも大きな影響を与えました。

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カール・マルクスの「資本論」

「資本論」は、19世紀後半に刊行されたカール・マルクスによる経済学書であり、資本主義経済の分析と批判を展開した壮大な著作として知られています。マルクスは、ヘーゲル弁証法を応用した唯物史観に基づき、資本主義社会における生産様式や階級闘争を分析し、資本主義の必然的な崩壊と共産主義社会への移行を予言しました。

「資本論」の特徴は、労働価値説に基づいた資本主義経済の分析です。マルクスは、商品の価値はそれを生産するために費やされた労働量によって決まると主張し、利潤は労働者から搾取された剰余価値から生み出されると論じました。この搾取構造が、資本主義社会における階級対立と社会矛盾を生み出す根源であるとマルクスは批判しました。

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ジョン・メイナード・ケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」

「雇用・利子および貨幣の一般理論」は、1936年に出版されたジョン・メイナード・ケインズによる経済学書であり、世界恐慌後の資本主義経済が抱える問題に対して、全く新しい分析と解決策を提示した画期的な著作として評価されています。ケインズは、古典派経済学の均衡理論を批判し、有効需要の不足こそが不況の根本原因であると主張しました。

「一般理論」で展開されたケインズの主張は、政府による積極的な財政政策の必要性を説いた点で、従来の経済学の常識を覆すものでした。ケインズは、有効需要を創出し、雇用を拡大するためには、政府が財政支出を拡大し、公共投資などを積極的に行うべきだと主張しました。これは、世界恐慌後の経済政策に大きな影響を与え、ケインズ経済学として現代経済学の一つの大きな潮流を形成しました。

これらの書籍は、「リストの政治経済学の国民的体系」と同様、経済学の歴史に大きな影響を与えた重要な著作であり、現代経済学を理解する上でも欠かせない古典と言えるでしょう。

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