リカードの経済学および課税の原理を読んだ後に読むべき本
カール・メンガー著 国民経済学原理
デヴィッド・リカードの『経済学および課税の原理』は、古典派経済学の礎を築いた重要な著作です。リカードはこの本の中で、労働価値説、比較優位の原則、地代論など、経済学の基礎となる概念を提唱しました。
リカードの著作を読んだ後に読むべき本として、カール・メンガーの『国民経済学原理』は最適な選択肢の一つと言えるでしょう。メンガーは、リカードと同じく経済学史に大きな影響を与えた人物であり、彼の著作は、リカードの理論をより深く理解する上で役立つだけでなく、経済学に対する新たな視点を提供してくれるでしょう。
メンガーは『国民経済学原理』の中で、経済現象を分析する上で、主観的な価値判断と限界効用理論の重要性を説いています。これは、客観的な価値基準に基づいたリカードの労働価値説とは対照的な考え方であり、経済学における価値論争という重要な論点を理解する上で欠かせない視点を与えてくれます。
また、『国民経済学原理』は、経済学を数学的に厳密に展開した先駆的な著作としても知られています。メンガーは、人間の行動を分析する上で、論理的な推論と抽象的なモデルを用いることの重要性を強調しました。これは、リカードの著作が持つ直感的で分かりやすい記述とは対照的であり、経済学をより科学的な discipline として確立しようとするメンガーの思想が読み取れます。
リカードの著作を読んだ後にメンガーの著作を読むことで、古典派経済学と新古典派経済学という二つの大きな潮流の違いを明確に認識できるようになり、経済学に対する理解をより深めることが期待できます。