リカードの経済学および課税の原理の関連著作
アダム・スミス『国富論』 (1776年)
リカードはスミスを深く研究し、多くの点で同意していましたが、いくつかの重要な点で意見が異なっていました。スミスは労働価値説を提唱し、分業の利点を強調し、自由市場を擁護しました。リカードはこれらの考え方の多くを共有していましたが、スミスの地代論を批判し、比較優位の原則をより完全に発展させました。
トーマス・ロバート・マルサス『人口論』 (1798年)
マルサスは、人口は幾何級数的に増加する一方で、食料生産は算術級数的にしか増加しないという考えに基づき、人口過剰の問題を提起しました。リカードはこの議論に影響を受け、賃金と利潤の関係について独自の理論を展開しました。彼は、人口増加が賃金を生存水準にまで押し下げ、その結果として利潤が減少し、経済成長が阻害されると主張しました。
ジェームズ・ミル『経済学綱要』 (1821年)
ジェームズ・ミルはリカードの親しい友人であり、彼の経済思想に大きな影響を与えました。ミルの『経済学綱要』は、リカードの経済学の簡潔で体系的な解説書であり、リカード自身の著作よりもはるかに読みやすいものでした。この本は、リカードの思想を広め、19世紀前半の経済学者に大きな影響を与えました。
ジョン・スチュアート・ミル『経済学原理』 (1848年)
ジョン・スチュアート・ミルはジェームズ・ミルの息子であり、リカードの思想を受け継いだ最も重要な経済学者の一人でした。ミルの『経済学原理』は、19世紀後半の経済学の標準的な教科書となり、リカードの思想をさらに発展させるとともに、功利主義の倫理学と結びつけました。