リカードの『経済学および課税の原理』が関係する学問
古典派経済学
リカードの『経済学および課税の原理』は、アダム・スミスの『国富論』を継承し、発展させた古典派経済学の代表的な著作として位置づけられています。
本書で展開された労働価値説、分配論、国際貿易論などは、後のジョン・スチュアート・ミルやカール・マルクスなど、多くの経済学者に影響を与え、19世紀の経済学の思考体系を構築する礎となりました。
政治経済学
リカードは本書の中で、経済現象を単なる経済活動としてではなく、社会構造や政治体制と密接に関連するものとして捉えています。
特に、穀物法や地代論に見られるように、当時のイギリス社会における階級間の利害対立や政治権力の問題に経済学的な分析を適用しようとした点は、後の政治経済学の発展に大きく貢献しました。
国際貿易論
リカードは本書の中で、比較優位に基づく自由貿易の重要性を説いたことで知られています。
彼は、たとえ一国がすべての財において絶対的な生産コストの優位を持っていない場合でも、比較優位のある財を専門的に生産し、貿易を行うことによって、各国が利益を得られることを論じました。
この比較優位説は、現代の国際経済学においても重要な理論的基礎となっています。
貨幣論
リカードは本書の中で、貨幣数量説を支持し、インフレーションの抑制には通貨供給量のコントロールが重要であると主張しました。
彼はまた、金本位制を支持し、紙幣の発行は金準備と連動させるべきだと論じました。
これらの主張は、後のマネタリズムの先駆けとして評価されています。