## ラートブルフの法哲学の対極
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法実証主義
ラートブルフの法哲学は、ナチス政権下における法の経験を踏まえ、法の形式的な妥当性のみを重視する法実証主義を批判し、法の内容的な正義や道徳との関係を重視する立場をとっています。
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法実証主義の代表的な著作
法実証主義の代表的な著作としては、ジョン・オースティンの『法理学講義』やハンス・ケルゼンの『純粋法学』などが挙げられます。これらの著作は、法の概念を道徳や正義といった規範的な概念から切り離し、法を権力者の命令として捉えることを特徴としています。
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ラートブルフとの対比
ラートブルフは、法実証主義的な立場では、ナチス政権下で制定された法のように、たとえそれが道徳的に不正であっても、形式的な手続きを経て制定された以上、法として有効とみなされてしまうと批判しました。
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法実証主義の現代における意義
現代においても、法実証主義は、法の解釈や適用における客観性や予測可能性を確保するために重要な役割を果たしています。しかし、ラートブルフの批判を踏まえ、法実証主義は、道徳や正義との関係を無視した法の形式主義に陥らないよう、常にその限界を意識する必要があります。