## ラートブルフの法哲学の価値
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法の相対主義を超えて
ラートブルフは、ナチス政権下における法の経験から、法実証主義の限界を痛感し、法と道徳の関連性を重視する「価値法学」を提唱しました。彼は、法の妥当性を単なる制定手続きの正当性に還元するのではなく、法の内容が一定の道徳的価値基準を満たすことを要求しました。これは、法の形式的な正当性が、必ずしも正義や人権の保障につながらないという反省に基づいています。
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「超法的な法原理」の探求
ラートブルフは、法の妥当性の根拠となる「超法的な法原理」を、人間の尊厳や社会の共存可能性といった価値観に見出しました。彼は、これらの価値観は、特定の時代や文化を超えて普遍的に妥当するものであり、いかなる法体系も、これらの価値観を尊重する義務を負うと主張しました。これは、ナチス政権下のような全体主義国家においても、人間の尊厳を守るための法原理が存在することを示唆しており、法の相対主義に対する重要な批判となっています。
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不法な法律への抵抗権の根拠
ラートブルフの法哲学は、不法な法律への抵抗権を正当化する根拠としても重要です。彼は、「法の不法性」が「耐え難い程度」に達した場合、その法律はもはや法としての効力を有さず、市民はそれに抵抗する権利を有すると主張しました。これは、法の形式的な正当性だけでなく、その内容の実質的な正義を重視する立場から、市民の抵抗権を積極的に認めるものです。