ラ・ロシュフーコーの箴言録の関連著作
パスカル『パンセ』
ラ・ロシュフーコーの『箴言録』とパスカルの『パンセ』は、ともに17世紀フランス文学を代表する古典であり、人間の本質に鋭く迫る洞察力に満ちています。
『箴言録』が、人間の行動のほとんどすべてを「 amour-propre」(自己愛)という原理に還元して説明しようとするのに対し、『パンセ』は、人間の偉大さと悲惨を対比させながら、神への信仰の必要性を説くという点で異なります。
しかし、どちらの書物も、人間の心の奥底に潜む矛盾や葛藤、そして社会生活における偽善や欺瞞を鋭く見抜いた点で共通しています。
例えば、『箴言録』の「我々は、自分の欠点について、ただ、それを改める気にならないほどしか反省しない」という言葉は、『パンセ』の「人間は考える葦であると同時に、自分を欺くことのできる唯一の動物である」という言葉を想起させます。
このように、『箴言録』と『パンセ』は、人間の心の複雑さを描き出すという点で共通しており、当時のフランス社会に大きな影響を与えました。
そして、現代においても、人間の本質についての普遍的な洞察を与え続けています。