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ラ・メトリの人間機械論の思索

## ラ・メトリの人間機械論の思索

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身体という機械

ラ・メトリは、人間を複雑な機械として捉えることを提唱しました。彼は、人間の身体が、心臓や肺、消化器官などの部品から構成され、それぞれが特定の機能を果たすことで生命活動が維持されていると論じました。これは、当時の時計などの機械装置の隆盛と相まって、人間の身体を機械のアナロジーで理解しようとする試みでした。

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精神もまた機械か

ラ・メトリは、身体だけでなく、精神もまた機械的なプロセスに還元できると主張しました。彼は、感覚、感情、思考といった精神活動も、脳内の物質的な運動の結果として生じると考えました。

例えば、感覚は外部からの刺激が神経を通じて脳に伝達されることで生じ、感情は身体状態の変化によって引き起こされると説明しました。このように、ラ・メトリは、精神を非物質的な魂ではなく、身体と不可分に結びついた物質的なプロセスとして捉え直そうとしました。

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動物との連続性

人間を機械とみなすラ・メトリの思想は、人間と動物の間に明確な境界線を引くことを困難にしました。彼は、動物もまた感覚や感情を持つと認め、人間と動物の精神的な能力に程度の差はあれど、本質的な違いはないと主張しました。これは、当時支配的であった、人間は理性を持つ点で動物よりも優れているとする考え方に異議を唱えるものでした。

ラ・メトリは、動物実験の結果などを根拠に、動物にも学習能力や問題解決能力があることを示し、人間だけが持つとされてきた精神的な能力の多くが、動物にも備わっている可能性を指摘しました。

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