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ランブレヒトのドイツ史に影響を与えた本

ランブレヒトのドイツ史に影響を与えた本

フリードリヒ・マイネッケ著「ドイツ史における国家の理念と個性」 (1882年)

ランブレヒトのドイツ史観に大きな影響を与えた一冊として、歴史家フリードリヒ・マイネッケの主著「ドイツ史における国家の理念と個性」が挙げられます。この書は、ドイツ統一運動が最高潮を迎えた1871年以前のドイツ史を、政治思想史の視点から分析した画期的な著作でした。

マイネッケは、従来の政治史的な国家形成史観を批判し、ドイツ民族が国家としての統一を達成する以前から、独自の「文化国家」としてのアイデンティティを育んできたことを論じました。彼は、ルターの宗教改革やゲーテ、カントといった思想家・文学者の活動を例に挙げ、ドイツ民族が政治的な統一を欠きながらも、精神的な統一を深めてきた過程を描き出したのです。

ランブレヒトは、マイネッケのこの著作から多大な影響を受け、自らのドイツ史研究に取り入れていきます。特に、政治史や社会経済史といった従来の枠組みにとらわれず、文化や思想といった多様な側面からドイツ史を捉えようとする姿勢は、マイネッケの影響を色濃く反映したものでした。

例えば、ランブレヒトは、中世ドイツの都市や教会といった社会組織に着目し、そこに見られる独自の精神文化を分析することで、ドイツ民族のアイデンティティ形成過程を解き明かそうと試みました。これは、政治的な統一国家の不在を理由に、ドイツ史を「遅れた歴史」と見なす従来の見方を批判し、独自の文化や伝統を育んできたドイツ史の独自性を強調するものでした。

このように、マイネッケの「ドイツ史における国家の理念と個性」は、ランブレヒトにドイツ史研究の新たな視点を提供し、その後の彼の歴史観に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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