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ランケの世界史の主題

ランケの世界史の主題

主題:諸国民の個別性と歴史における神の摂理

レオポルト・フォン・ランケの主著『世界史』は、普遍史という壮大な枠組みの中で、個々の国家や民族の独自性と、歴史全体を貫く神の摂理という二つの大きなテーマを軸に展開されています。

諸国民の個別性

ランケは、ヘーゲルのような歴史哲学が唱える普遍的な歴史法則や理念よりも、それぞれの時代や地域に固有の文化や精神を重視しました。彼は、各国家や民族が、地理的条件、宗教、政治体制、経済活動など、様々な要因によって形成された独自の「個体性」を持つと考えました。

歴史における神の摂理

しかし、ランケは個々の国家や民族の歴史を単なるバラバラな出来事の羅列として捉えていたわけではありません。彼は、歴史全体を貫く神の摂理が存在し、個々の歴史的事象はその摂理の中で意味を持つと考えていました。ランケにとって、歴史とは、神が自らの目的を明らかにするために用いる舞台であり、歴史家は、膨大な史料の中から神の意志を読み解くことが求められていました。

史料批判と客観性

ランケは、歴史家の使命は、過去の出来事をありのままに記述することであると考えました。彼は、史料批判を重視し、一次史料に基づいて客観的な歴史叙述を目指しました。彼の「客観的な歴史記述」とは、歴史家の主観や偏見を排除し、史料が語る事実を忠実に再現することでした。

ランケの歴史観は、後の歴史学に多大な影響を与え、彼の史料批判の手法は近代歴史学の基礎となりました。一方で、彼の「歴史における神の摂理」という考え方は、現代の歴史学では支持されていません。しかし、彼の歴史観は、歴史における客観性や個々の文化や社会の独自性といった、現代でも重要なテーマを提起しています。

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