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ランケの世界史のメッセージ

## ランケの世界史のメッセージ

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ランケの歴史観

レオポルト・フォン・ランケは19世紀ドイツの歴史家で、「近代歴史学の父」と称されます。彼は史料批判に基づいた客観的な歴史記述を目指し、自身の歴史観を「ありのままに歴史を語りたい」という言葉で表現しました。これは、歴史家の主観や偏見を排除し、史料に基づいて過去の事実を忠実に再現することを目指すという姿勢を表しています。

ランケは歴史における神の役割を重視し、個々の国家や民族にはそれぞれ固有の理念や使命が与えられており、歴史はその理念が実現されていく過程であると捉えました。これは「個別性の尊重」と呼ばれる考え方であり、当時のヨーロッパで台頭していた国民国家の形成にも影響を与えました。

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「世界史」におけるメッセージ

ランケの主著である『世界史』は、古代から近代(16世紀まで)に至るまでの歴史を包括的に扱っています。彼はこの作品において、個々の国家や民族の歴史を記述するだけでなく、それらが相互に影響し合いながら世界史全体が展開していく過程を描写しようと試みました。

『世界史』では、ヨーロッパ史だけでなく、イスラム世界やアジアなど、非ヨーロッパ世界の歴史にも一定のページが割かれています。これは、当時のヨーロッパ中心史観からの脱却を図り、世界史をより広い視野で捉えようとする姿勢の表れと解釈されています。

ランケは『世界史』において、特定の結論を導き出すことを意図していませんでした。彼はあくまでも、史料に基づいて過去の事実を客観的に提示することに徹し、読者自身が歴史から学び、解釈を深めることを期待していたと考えられます。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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