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ラッセルの数理哲学序説の思索

## ラッセルの数理哲学序説の思索

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数の定義について

ラッセルは、数学の基礎を明確化するために、数を論理学の用語のみを用いて定義しようと試みました。彼は、数を集合の概念に還元する立場を取りました。具体的には、「2」という数を、「要素の数が2であるようなすべての集合の集合」として定義しました。つまり、りんごが2つある状態、鉛筆が2本ある状態など、要素の数が2であるようなあらゆる集合を要素とする集合が「2」であると考えたのです。

この定義は、一見すると複雑に見えますが、数を具体的な事物から独立させて抽象的な概念として捉え直すことを可能にしました。これにより、数学は特定の事物に依存しない、より普遍的な学問としての基礎を築くことができたと言えるでしょう。

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記述と記号の区別

ラッセルは、数学や論理学における混乱を避けるためには、記述と記号を明確に区別することが重要であると主張しました。彼は、「スコットランドの王」のような記述は、それが指し示す対象が存在しない場合でも意味を持つとしました。一方、「x はスコットランドの王である」のような記号は、変数xに具体的な値が代入されて初めて真偽が定まります。

この区別は、数学の基礎における重要な問題である「存在」の扱いに深く関わっています。記述と記号を区別することで、存在しない対象についての命題を矛盾なく扱うことが可能となり、数学の論理的な厳密性を高めることに貢献しました。

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