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ラッセルの数理哲学序説と言語

## ラッセルの数理哲学序説と言語

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記号論理学と日常言語の関係

ラッセルは、日常言語の曖昧さと複雑さが哲学における混乱の主要な原因であると認識していました。「数理哲学序説」において、彼は記号論理学を用いることで、このような曖昧さを排除し、哲学的問題により明確な光を当てることができると主張しました。

ラッセルは、記号論理学が持つ厳密な記号体系と推論規則を用いることで、日常言語では表現が難しい複雑な概念や関係を明確に表現できるようになると考えました。例えば、「すべての」や「いくつか」といった量化子を表現する記号や、「かつ」「または」「ではない」といった論理結合子を表現する記号を用いることで、命題の論理構造を明確に示すことができます。

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記述と記述の階層

ラッセルは、「数理哲学序説」において、記述の理論を展開し、パラドックスの発生メカニズムを分析しました。彼は、パラドックスを回避するために、記述の階層という概念を導入しました。

記述の階層とは、記述の対象となるものと、記述を行う言語との間に区別を設けるという考え方です。彼は、すべての記述が同じレベルで行われるのではなく、異なるレベルに位置づけられると主張しました。

例えば、「赤いもの」という記述は、直接的に赤いものを指し示すのではなく、「赤い」という性質を持つものを指し示す記述です。このように、記述には直接的に対象を指し示す記述と、他の記述を通して間接的に対象を指し示す記述が存在します。

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論理的原子主義

「数理哲学序説」で展開される論理的原子主義は、世界は論理的に独立した要素(原子命題)から構成されており、それらの要素間の関係が論理演算によって記述できるとする立場です。ラッセルは、哲学の目的はこのような論理的な構造を明らかにすることであると考えました。

彼は、複雑な命題は、より単純な命題へと分析していくことができると考えました。そして、最終的には、それ以上分析できない究極的な要素である原子命題にたどり着くとしました。原子命題は、世界に存在する事実と直接的に対応しており、真偽が決定されると考えられています。

ラッセルは、記号論理学を用いることで、このような原子命題とその間の関係を明確に表現できると考えました。

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