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ラッセルの幸福論の関連著作

## ラッセルの幸福論の関連著作

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アリストテレス「ニコマコス倫理学」

古代ギリシャの哲学者アリストテレスによる倫理学の代表作。幸福を「人間の魂がその固有の能力に従って最高の状態に活動すること」と定義し、徳の実践と理性的な生活こそが幸福に到達する方法であると説きます。ラッセルは幸福論の中でアリストテレスの思想を取り上げ、幸福における理性と感情のバランスの重要性を論じています。特に、アリストテレスが重視した「知的な観想」は、ラッセルが提唱する「没頭」の概念と深く関連しています。

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エピクロス「メノイケウス宛ての手紙」

古代ギリシャの哲学者エピクロスが、弟子メノイケウスに向けて幸福論を説いた書簡。快楽を人生の究極的な目的としたエピクロスは、肉体的な苦痛と精神的な不安の除去こそが幸福に不可欠であると主張しました。ラッセルはエピクロスの思想を、幸福を阻害する要因を分析する上で参照しています。しかし、ラッセルはエピクロスの「快楽主義」をそのまま受け入れるのではなく、真の幸福には外的な快楽だけでなく、精神的な充実感も必要であると指摘しています。

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ショーペンハウアー「幸福について」

19世紀ドイツの哲学者ショーペンハウアーによる、厭世主義的な幸福論。人生は苦しみと退屈の繰り返しであるという前提に立ち、幸福は一時的な幻想に過ぎないと断言しています。ラッセルはショーペンハウアーの悲観的な見解を部分的に認めつつも、幸福を追求すること自体に意味を見出しています。ラッセルにとって、ショーペンハウアーの思想は、幸福に対する過度な期待の危険性を示唆するものとして重要な意味を持っています。

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ウィリアム・ジェームズ「プラグマティズム」

アメリカの哲学者・心理学者であるウィリアム・ジェームズによる、プラグマティズムの立場から書かれた著作。ジェームズは、真理の基準を「有用性」に置き、宗教的な経験を含めたあらゆる経験を重視しました。ラッセルはジェームズの思想から、幸福を個人の主観的な経験として捉える視点を学びました。ジェームズの「意志による信念」の概念は、ラッセルが幸福論の中で強調する「積極的な生き方」と共鳴する部分があります。

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