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ラスキの国家論の思考の枠組み

## ラスキの国家論の思考の枠組み

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国家の定義と本質

ラスキは、国家を「特定の領土において、その領土内のすべての人々および団体の行動を最終的に統制する、ある特定の社会ないし社会集団において、その社会ないし集団の成員ではない他のいかなる権力にも従属しない権力を、習慣上あるいは法的に独占している結合体」と定義しています。

この定義から、ラスキの国家論における重要な要素として、以下の点が挙げられます。

* **強制力**: 国家は、その命令を強制する力を独占的に保有している。
* **領土性**: 国家の権力は、特定の領土内に限定される。
* **包括性**: 国家の権力は、その領土内にいるすべての人々および団体に及ぶ。
* **主権性**: 国家は、その内部において最高の権力であり、外部からの干渉を受けない。

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国家の目的:自由の実現

ラスキは、国家の目的を「人間の自由を実現すること」と考えていました。 彼は、人間は生まれながらにして自由であり、自己実現のために自由を必要とするという「自由主義」の立場をとっています。

ラスキは、自由を「外的拘束からの解放」という意味だけでなく、「自己実現のための積極的な能力」という意味でも捉えていました。 そして、国家は、個人が自己実現を達成するために必要な条件を整えることで、自由を積極的に促進する役割を担うべきだと主張しました。

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プルーラリズムと国家

ラスキは、国家以外にも、家族、教会、労働組合など、様々な集団が社会には存在し、それぞれが独自の目的と価値観を持つという「プルーラリズム」の重要性を強調しました。

彼は、国家がこれらの集団の活動を過度に制限することを批判し、国家は、様々な集団が共存し、相互に発展できるような枠組みを提供することに専念すべきだと主張しました。 これは、国家の役割を制限し、個人の自由と集団の自律性を重視する立場です。

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民主主義と国家

ラスキは、国家が個人の自由を実現するためには、民主主義体制であることが不可欠だと考えていました。 彼は、民主主義を単なる多数支配ではなく、「継続的な参加」と「市民の積極的な政治参加」によって特徴づけられる政治体制と捉えました。

ラスキは、市民が政治に参加することで、自己の利益を代表し、政府の政策に影響を与えることができると考えました。 そして、民主主義的な国家こそが、個人の自由を保障し、公共の利益を実現する最良の手段だと結論づけました。

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