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ラスキの国家論の思想的背景

ラスキの国家論の思想的背景

思想的背景:古典的自由主義から社会主義への転換

ラスキは、初期においては、ミルの影響を受けつつも、より現実主義的な立場から古典的自由主義の立場を擁護していました。しかし、第一次世界大戦を経て、資本主義社会における経済的不平等や社会的不公正を目の当たりにする中で、古典的自由主義では解決できない問題があると考えるようになります。

影響を受けた思想家:プラトン、ルソー、グリーン

ラスキの思想形成には、古代ギリシャの哲学者プラトン、社会契約論で有名なルソー、イギリスの観念論哲学者グリーンなど、多様な思想家の影響が見られます。

プラトンの影響:理想主義と共同体主義

プラトンからは、理想主義と共同体主義的な国家観の影響を受けています。プラトンは、国家を、個人の欲望を抑制し、正義を実現するための倫理的な共同体として捉えました。初期のラスキは、国家を個人の自由を保障する存在として捉えていましたが、後期のラスキは、プラトンの影響を受け、国家が積極的に介入することで社会正義を実現すべきだと考えるようになります。

ルソーの影響:一般意志と人民主権

ルソーからは、一般意志と人民主権の概念に影響を受けています。ルソーは、社会契約論において、個人の自由を最大限に保障するためには、個々の意志を超えた「一般意志」に基づいて統治されることが必要だと主張しました。ラスキもまた、真の民主主義を実現するためには、人民主権に基づき、人々が積極的に政治に参加することが重要だと考えました。

グリーンの影響:社会 liberalism

グリーンからは、社会 liberalism の影響を受けています。グリーンは、自由放任主義的な古典的自由主義を批判し、国家が積極的な役割を果たすことで、すべての人々に自由と平等な機会を保障すべきだと主張しました。ラスキもまた、グリーンの思想を受け継ぎ、国家による社会福祉の充実や経済の規制を通じて、社会的不公正を解消する必要性を訴えました。

これらの思想的背景から、ラスキは、個人の自由と社会正義の調和を重視した、独自の国家論を展開していくことになります。

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