## ラスキの国家論に匹敵する本
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国家論に匹敵するスケールと影響力を持つ名著
ジョン・ラスキの『 unto this last』(邦題:『この最後の者にも』)は、19世紀後半のイギリス社会に衝撃を与え、社会思想、経済思想、そして芸術論に至るまで、多大な影響を与えた記念碑的作品です。 単なる経済学の枠組みを超えて、人間の幸福と社会の正義を追求した本書は、後の社会主義運動やアーツ・アンド・クラフツ運動、そして現代の共同体主義に至るまで、その影響は現代社会に脈々と息づいています。
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プラトン『国家』:西洋思想の原点となる理想国家論
西洋思想の根幹をなす古代ギリシャの哲学者プラトンによる『国家』は、理想的な国家のあり方を対話形式で探求した著作です。正義、徳、幸福といった普遍的なテーマを扱いながら、教育、芸術、政治体制など多岐にわたる分野に深く切り込みます。
ラスキの『 unto this last』が、当時の資本主義社会の矛盾を鋭く批判し、人間の尊厳と社会正義の実現を目指したように、『国家』もまた、当時のアテネ社会の現実と理想の隔たりを浮き彫りにし、真の幸福を実現する国家のあり方を問いかけました。
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トーマス・モア『ユートピア』:社会の矛盾を風刺的に描く理想郷
16世紀のイギリスの思想家トーマス・モアが著した『ユートピア』は、架空の理想社会「ユートピア」を舞台に、当時のヨーロッパ社会の矛盾や問題点を風刺的に描き出した作品です。私有財産の廃止、平等な労働、宗教的寛容など、ユートピアで実践される革新的な制度は、当時の社会通念を覆すものでした。
ラスキが『 unto this last』で、労働の尊厳や共同体の重要性を説いたように、『ユートピア』もまた、物質的な豊かさよりも精神的な豊かさや社会全体の幸福を重視する社会のあり方を提示しました。
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ジャン・ジャック・ルソー『社会契約論』:近代民主主義の礎を築いた社会思想
18世紀フランス啓蒙思想を代表するジャン=ジャック・ルソーの主著『社会契約論』は、個人の自由と社会秩序の両立をテーマに、近代民主主義の基礎となる社会契約説を展開した画期的な書です。
「人は生まれながらにして自由であるにもかかわらず、いたるところで鉄鎖につながれている」という有名な一節に象徴されるように、ルソーは、人間本来の自由と平等を阻害する社会制度を批判し、人民主権に基づく政治体制の必要性を訴えました。