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ラシーヌのブリタニスの関連著作

ラシーヌのブリタニスの関連著作

古代ローマの歴史書

ラシーヌの悲劇「ブリタニクス」は、ローマ皇帝クラウディウスの死後、ネロが皇帝の座を継承した紀元54年から59年の出来事を題材にしています。この劇は、史実を基にしていますが、ラシーヌは登場人物や出来事を脚色して、より劇的な効果を生み出しています。

「ブリタニクス」の主要な情報源となった歴史書は以下の通りです。

* **タキトゥス『年代記』**: 1世紀後半に書かれたタキトゥスの『年代記』は、ネロの治世を含む、紀元14年から68年までのローマ帝国の歴史を扱っています。タキトゥスは、ネロを暴君として描き、ブリタニクスをネロの残虐性の犠牲者として描写しています。ラシーヌは、ブリタニクスの性格描写やネロとアグリッピナの関係など、多くの点でタキトゥスの記述に依拠しています。
* **スエトニウス『ローマ皇帝伝』**: 2世紀前半に書かれたスエトニウスの『ローマ皇帝伝』は、カエサルからドミティアヌスまでの12人のローマ皇帝の伝記をまとめたものです。スエトニウスもまた、ネロを否定的に描写し、彼の治世における残虐行為やスキャンダルについて詳しく述べています。ラシーヌは、ネロの性格描写や、ブリタニクス毒殺の場面などで、スエトニウスの記述を参考にしています。

これらの歴史書は、ラシーヌに「ブリタニクス」の時代背景や登場人物に関する豊富な情報を提供しました。しかし、ラシーヌは単に歴史的事実を再現するのではなく、登場人物の心理描写に焦点を当て、愛と権力、義務と欲望の間で葛藤する人間ドラマを描き出しています。

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