ラシーヌのフェードルが関係する学問
古典主義文学
ラシーヌの「フェードル」は、17世紀フランスの古典主義文学を代表する悲劇作品です。古典主義は、古代ギリシャ・ローマの文学や文化を規範とし、理性、均衡、簡潔さを重視する芸術思潮でした。
ギリシャ神話
「フェードル」の物語は、ギリシャ神話に登場するクレタ島の王妃パイドラー（ラテン語名：フェードラ）の悲恋を題材にしています。ラシーヌは、エウリピデスのギリシャ悲劇「ヒッポリュトス」などを基に、この物語を独自の解釈で描き出しています。
心理学
「フェードル」は、登場人物たちの複雑な心理描写が特徴です。特に、義理の息子ヒッポリュトスに対する禁断の愛に苦悩するフェードルの心理は、現代の心理学からも注目されています。彼女の愛と罪悪感、嫉妬、絶望といった感情は、時代を超えて人間の心の奥底を照らし出すものとして、多くの読者の共感を呼んでいます。
社会学
「フェードル」は、17世紀フランスの宮廷社会を舞台に、権力、欲望、道徳といったテーマを描いています。フェードルの悲劇は、個人の情念と社会的な規範との葛藤として捉えることもできます。作品を通して、当時の社会における女性の立場や、権力構造の問題点などを読み解くことも可能です。