## ラサールの労働者綱領の発想
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1. 労働者階級の解放
ラサールは、当時のプロイセンを支配する貴族やブルジョアジー階級による抑圧から労働者階級を解放することを目指していました。彼は、労働者階級が自らの利益を代表する政治勢力を形成し、国家権力を掌握することによってのみ真の解放が達成されると考えていました。
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2. 国家による生産手段の所有
ラサールは、資本主義の根本的な問題は、生産手段が少数の資本家の手に握られていることにあると分析しました。彼は、国家が生産手段を所有し、労働者のために管理することによってのみ、搾取のない公正な社会が実現すると主張しました。
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3. 普選権の獲得
ラサールは、労働者階級が政治的な権利を獲得することが、社会変革への第一歩であると認識していました。彼は、すべての成人男性に選挙権を与える「普通選挙権」の実現を強く訴えました。普選権によって労働者階級は議会で多数派を占め、自らの要求を実現する政治勢力を築けると考えたのです。
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4. 生産組合の設立
ラサールは、国家による生産手段の所有に加えて、労働者が自主的に運営する「生産組合」の設立を提唱しました。生産組合は、国家からの財政援助を受けながら、労働者自身によって管理・運営されることを想定していました。これは、労働者が生産活動に直接関与し、その成果を公正に分配することで、経済的な自立と社会的地位の向上を目指したものでした。