ラサールの労働者綱領の構成
1. 序論
ラサールは、当時の労働者の窮状と、その原因がブルジョワジーによる搾取にあることを指摘することから始めます。そして、この状況を打破するために労働者階級が団結し、自らの力で政治権力を獲得する必要性を訴えます。
2. 既存の社会主義批判
ラサールは、当時の社会主義運動、特にプルードン主義を批判します。彼は、プルードン主義が「市民社会」の枠組みの中での改革を志向し、国家の役割を軽視している点を指摘し、真の解放のためには国家権力の掌握が必要であると主張します。
3. 国家と労働者階級
ラサールは、国家を階級支配の道具としてではなく、社会全体の利益を実現するための手段として捉えます。そして、労働者階級が普通選挙によって国家権力を掌握し、それを用いて社会主義的な改革を実現すべきであると主張します。
4. 生産協同組合の設立
ラサールは、国家の援助によって生産協同組合を設立し、労働者が生産手段を所有することを主張します。彼は、これによって労働者が資本家による搾取から解放され、労働の成果を正当に享受できるようになると考えました。
5. 労働者階級の任務
ラサールは、労働者階級が自らの解放のために積極的に行動を起こす必要性を強調します。彼は、労働者が団結し、教育を受け、政治に参加することによって、自らの権利を勝ち取ることができると訴えます。