## ラサールの労働者綱領の思考の枠組み
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国家による労働者階級の解放
ラサールは、国家を労働者階級を解放するための重要な手段と見なしていました。彼は、当時のプロイセン国家は、絶対主義の名残を残しつつも、すでにブルジョワジーによって支配されていると考えていました。しかし同時に、国家は特定の階級の利益に縛られることなく、中立的な立場で社会全体の利益を実現する能力を持つとも考えていました。
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生産協同組合の設立
ラサールは、国家の支援によって労働者自身が所有・運営する生産協同組合を設立することで、資本主義の搾取構造を克服できると考えました。彼は、生産手段を労働者が共同で所有することで、労働の成果が労働者自身に還元され、経済的不平等が解消されると主張しました。
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普選権の獲得
ラサールは、労働者階級が政治的な権利を獲得することが、経済的な解放に不可欠であると考えていました。彼は、普選権の実現によって労働者階級が国家に対して影響力を持つことができ、国家による生産協同組合への支援や労働者保護政策の実現が可能になると考えました。
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階級闘争の否定
ラサールは、マルクスとは異なり、階級闘争を労働者階級の解放の手段として重視しませんでした。彼は、労働者と資本家の対立は、本質的なものではなく、国家の介入によって解消できると考えていました。ラサールは、すべての国民が共通の利益を追求することで、社会全体の福祉が向上すると主張しました。