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ラサールの労働者綱領が扱う社会問題

ラサールの労働者綱領が扱う社会問題

1. 労働者階級の貧困と搾取

ラサールは、当時の資本主義社会における労働者階級の置かれた状況を、 **貧困** と **搾取** という二つの側面から鋭く批判しました。彼は、労働者が生産手段を持たないがゆえに、資本家に雇用されて労働力を提供することでしか生活できないという構造的な問題点を指摘しました。そして、資本家が労働者に対して、労働力の再生産に必要な費用 (生活費) を上回る剰余価値を搾取しているというマルクスの搾取論を継承し、労働者階級が常に貧困に苦しむ構造的な理由を明らかにしました。

2. 生産手段の私有

ラサールは、労働者階級の貧困と搾取の根本原因は **生産手段の私有** にあると主張しました。工場や機械といった生産手段を資本家が私的に所有している限り、労働者は資本家に従属し、搾取され続けることになります。ラサールは、この状況を克服するために、生産手段を社会化し、労働者自身の手によって管理・運営されるべきだと訴えました。

3. 国家の役割

ラサールは、国家を労働者階級の解放のための重要な手段として捉えていました。彼は、当時の国家が資本家階級の利益を守るために機能しているという現実を認識しつつも、労働者階級が選挙権を獲得し、政治に参加することで、国家を労働者階級のための道具へと転換できると考えました。そして、国家の力を借りて、生産協同組合を設立し、労働者自身が生産手段を所有・管理する社会の実現を目指しました。

4. 労働者の団結の必要性

ラサールは、労働者階級が自らの権利を実現し、社会を変革するためには、 **団結** が不可欠であると訴えました。彼は、労働者が個々バラバラでは、資本家の力に対抗できないことを強く認識しており、労働者が共通の利益に基づいて団結し、組織的な力を持つことの重要性を強調しました。そして、労働組合の組織化や労働者政党の結成を積極的に推進しました。

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