ユークリッドの原論の案内
古代ギリシャ数学の金字塔
ユークリッドの『原論』(希: Στοιχεῖα, Stoicheia; 英: Elements)は、古代ギリシャの数学者エウクレイデス(ユークリッド)によって紀元前3世紀頃に著されたとされる数学書です。
幾何学と数論の体系化
全13巻からなり、平面幾何、比例論、数論、立体幾何などを網羅しており、公理、定義、命題、証明という形式で数学的な知識を体系的にまとめています。
公理主義的方法
『原論』の最大の特徴は、いくつかの自明な真実(公理)を前提として、論理的な推論のみによって複雑な定理を導き出すという、いわゆる「公理主義的方法」を採用している点にあります。
内容
各巻の内容は以下の通りです。
* **第1巻:** 三角形の合同条件、平行線、ピタゴラスの定理など
* **第2巻:** 幾何学的代数学
* **第3巻:** 円と角
* **第4巻:** 円に内接・外接する図形
* **第5巻:** 比例論
* **第6巻:** 平面図形の相似
* **第7巻~第9巻:** 整数論(素数、最大公約数など)
* **第10巻:** 無理数の分類
* **第11巻~第13巻:** 立体幾何
歴史的影響
『原論』は、2000年以上にわたって数学の教科書として、あるいは数学的思考の模範として、西洋世界において絶大な影響力を持ってきました。
現代数学への影響
現代数学においても、『原論』で示された公理主義的方法は、数学の厳密性を保証する上で重要な役割を果たしています。