## ユークリッドの原論の対極
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ユークリッドの原論と対極的な書物とは
「ユークリッドの原論」は、古代ギリシャの数学者エウクレイデスによって著された幾何学の教科書です。公理と呼ばれる自明な真実から出発し、論理的な推論のみによって様々な定理を証明していく、いわゆる公理主義的方法を確立した書物として知られています。 その厳密な論理展開は、2000年以上にわたり数学のみならず、様々な学問分野に影響を与え続けてきました。
では、「ユークリッドの原論」の対極に位置する書物とは一体どのようなものでしょうか。 それは、「原論」に見られるような厳密な公理主義的方法とは全く異なるアプローチで書かれた書物、あるいは公理主義的方法では捉えきれない別の側面を明らかにした書物と言えるでしょう。
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対極の例:実験と帰納を重視する「プリンキピア」
一例として挙げられるのが、アイザック・ニュートンの著書「プリンキピア(自然哲学の数学的諸原理)」です。 「原論」が幾何学という抽象的な世界を扱っているのに対し、「プリンキピア」は力学という現実世界の現象を数学的に記述することを目的としています。
ニュートンは、「原論」のように少数の公理から演繹的に真理を導き出すのではなく、観察や実験によって得られた経験的事実から、数学的な法則を帰納的に導き出すという方法を採用しました。 例えば、万有引力の法則は、ケプラーの惑星運動の法則という観測結果から、数学的な推論によって導き出されました。
このように、「プリンキピア」は「原論」とは異なる方法論に基づいて書かれており、その意味で「原論」の対極に位置する書物と言えるかもしれません。
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対極の多様性:唯一の答えは存在しない
「ユークリッドの原論」の対極に位置する書物は、「プリンキピア」の他にも様々なものが考えられます。重要なのは、単に「原論」と異なる分野の書物を挙げるのではなく、「原論」の持つ方法論や思想と対比して、どのような点がどのように異なっているのかを具体的に分析することです。