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ユスティニアヌスのローマ法大全の表現

## ユスティニアヌスのローマ法大全の表現

### Ⅰ. 法文の言語について

ユスティニアヌス帝時代の公用語はギリシア語でしたが、「ローマ法大全」はラテン語で記されています。これは、ローマ法の伝統と権威を尊重し、法典の適用範囲を東ローマ帝国全域に及ぼすためと考えられています。

### Ⅱ. 法文の構成要素

「ローマ法大全」は、大きく分けて以下の3つの部分から構成されています。

1. **「勅法彙纂(Codex Justinianus)」:** ユスティニアヌス帝以前の皇帝の勅令を編纂したもの。
2. **「学説彙纂(Digesta/Pandectae)」:** 古代のローマ法学者の著作から抜粋・編集した、法原則や判例集。
3. **「法学提要(Institutiones)」:** 法学の入門書。

### Ⅲ. 法文の表現の特徴

* **簡潔で明瞭な表現:** 法律文書として、解釈の曖昧さを排除するため、簡潔で明瞭な表現が用いられています。
* **専門用語の使用:** ローマ法特有の専門用語が多く用いられており、正確な法的解釈には専門知識が不可欠です。
* **古典ラテン語からの逸脱:** 当時の口語の影響を受け、古典ラテン語の文法や語彙とは異なる表現が見られることがあります。
* **ギリシア語の影響:** 東ローマ帝国ではギリシア語が広く話されていたため、一部ギリシア語の語彙や表現が取り入れられています。
* **注釈(glosse)の付与:** 後世の法学者たちによって、法文の解釈を補足するための注釈(glosse)が多数付与されています。

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