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ユスティニアヌスのローマ法大全の思考の枠組み

ユスティニアヌスのローマ法大全の思考の枠組み

ローマ法の再体系化という壮大な事業

法典編纂以前、ローマ法は膨大な量の法文や判例が積み重なり、非常に複雑化していました。ユスティニアヌス帝は、この状況を改善し、ローマ帝国の法体系を再建するために、法典編纂事業に着手しました。これは、単なる法文の収集ではなく、矛盾や重複を解消し、体系的な法典を構築することを目的とした、壮大な事業でした。

自然法、万民法、市民法の概念

ローマ法大全は、自然法、万民法、市民法という三つの法概念を基盤としています。自然法は、人間を含むすべてのものに共通する、永遠不変の法とされ、万民法は、ローマ以外の民族を含む、すべての人々に適用される法とされました。そして、市民法は、ローマ市民だけに適用される法とされました。これらの概念は、ローマ法大全全体を貫く基本的な考え方であり、法の普遍性と特殊性を理解する上で重要となります。

法の階層性

ローマ法大全は、法の階層性を明確に示しています。最上位に位置するのは皇帝の制定法であり、その下に法学者の著作や判例が位置づけられています。これは、皇帝の権威を絶対的なものとしながらも、伝統的な法解釈の重要性を認めたことを示しています。

法解釈の方法論

ローマ法大全には、法解釈の方法論についても詳細な記述が見られます。文法解釈、論理解釈、歴史解釈といった多様な解釈方法が駆使され、複雑な法的問題に対処しようとする姿勢が見て取れます。

実務的な法知識の重視

ローマ法大全は、単なる理論的な法典ではなく、実務的な法知識を重視した内容となっています。具体的には、契約法、物権法、家族法、相続法など、日常生活における様々な法的問題について、具体的な規定が設けられています。これは、ローマ法大全が、法実務家や一般市民にとっても有用な指針となることを目指していたことを示しています。

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