## ユスティニアヌスのローマ法大全の入力と出力
入力
ユスティニアヌス帝の命により編纂されたローマ法大全は、大きく分けて以下の3つの要素から成り立っています。
* **古典法学者の著作**: ウルピヌス、パウルス、ガイウス、パピニアヌスといった著名な法学者の著作から、重要な箇所が抜粋されて収録されました。これらの著作は、ローマ帝政初期の約2世紀間にわたって、法解釈や判例として蓄積された膨大な量の法的知識を含んでいました。
* **勅法**: ローマ帝国歴代皇帝が制定した勅令（勅法）もまた、ローマ法大全に組み込まれました。勅法は、皇帝がその権限に基づいて制定した法であり、時代とともに変化する社会情勢や新たな問題に対応するために重要な役割を果たしていました。
* **学説彙編**: 当時の法学校で用いられていた教科書や注釈書の内容も、ローマ法大全に盛り込まれました。学説彙編は、法学者の解釈や学説をまとめたものであり、複雑な法体系を理解するための手助けとなりました。
出力
ユスティニアヌスのローマ法大全は、以下の4つの構成要素から成り立っています。
* **「学説彙編」(Institutiones)**: 法学入門書として、当時の法学生向けに編纂されました。基本的な法原則や概念を、簡潔かつ分かりやすく解説しています。
* **「勅法彙集」(Digesta)**: 古典法学者の著作から抜粋された法的資料を、テーマ別に分類してまとめたものです。約9,000 もの抜粋が収録されており、ローマ法の精髄を網羅しています。
* **「法典」(Codex)**: 歴代皇帝の勅法を集成し、体系的に整理したものです。重複する内容や時代遅れになった条文は削除され、最新の法体系として整備されました。
* **「新勅法」(Novellae Constitutiones)**: ユスティニアヌス帝自身が制定した新しい勅令をまとめたものです。法典編纂後も、社会情勢の変化に応じて新たな法律が制定され、ローマ法大全の内容は更新され続けました。
ユスティニアヌスのローマ法大全は、古代ローマの膨大な法知識を体系的に整理し、後世に伝えるという壮大な事業の結晶と言えるでしょう。