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ユスティニアヌスのローマ法大全の世界

## ユスティニアヌスのローマ法大全の世界

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ローマ法の再編

6世紀、東ローマ帝国皇帝ユスティニアヌス1世は、衰退しつつあったローマ帝国の再建を目指し、様々な改革を行いました。その中でも重要な事業の一つが、**ローマ法の再編**です。

古代ローマにおいて1000年以上に渡って蓄積された膨大な量の法律は、時代と共に複雑化し、矛盾を抱えていました。ユスティニアヌスは、これらの法律を整理し、体系化することで、帝国の統治を円滑にし、法の支配を確立しようとしました。

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ローマ法大全の内容

ユスティニアヌスは、法律家トリボニアヌスを筆頭とする委員会を組織し、528年から534年にかけてローマ法大全を編纂させました。これは以下の3つの部分から構成されています。

* **「勅法彙纂(Codex Justinianus)」:** ユスティニアヌス以前の皇帝の勅令を編纂したもの。
* **「学説彙纂(Digesta/Pandectae)」:** 古代の著名な法学者の学説を抜粋・編集したもの。
* **「法学提要(Institutiones)」:** 法学の入門書として、学生向けにまとめたもの。

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ローマ法大全の影響

ローマ法大全は、ユスティニアヌスが目指した法の再編という目的を達成し、東ローマ帝国において長らく重要な法典として用いられました。また、その後のヨーロッパ世界にも大きな影響を与え、中世・近世のヨーロッパ諸国の法整備に多大な影響を与えました。

特に、「学説彙纂」に収められた古代ローマ法学者の論理的かつ高度な法解釈は、中世ヨーロッパで再び「発見」されることで、12世紀以降の大学における法学教育の中心となり、近代ヨーロッパの法体系の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

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