ユスティニアヌスのローマ法大全に影響を与えた本
ガイウスの『Institutes』
ガイウスの『Institutes』は、2世紀半ばにローマの法学者ガイウスによって書かれた、ローマ法の初心者向け教科書です。簡潔で体系的なスタイルと、ローマ法の主要原則を網羅した包括的な内容により、法学教育の標準的なテキストとして何世紀にもわたって広く使用されました。
『Institutes』は、人物、物、訴訟という3つの部分から構成されています。第1部は、奴隷と自由人の区別、市民と外国人、そして家族における父権などの、人の地位と身分に関するローマ法を扱っています。第2部は、所有権、用益権、質権などのさまざまな種類の財産、そして遺言や相続を通じて財産を譲渡する方法を論じています。第3部は、訴訟手続きと救済手段を扱っています。
ガイウスの『Institutes』は、その明快さ、簡潔さ、そしてローマ法の原則を体系的に扱っていることから、ユスティニアヌスのローマ法大全に大きな影響を与えました。法学者は、その包括的な内容と実践的な視点から、ユスティニアヌス帝の時代に広く読まれ使用されていました。したがって、ユスティニアヌスのローマ法大全に取り入れられた多くの法的原則や概念の基礎として機能し、後の世紀にわたって西洋法の発展に永続的な影響を与えました。