ユスティニアヌスのローマ法大全からの学び
ローマ法の再編
ユスティニアヌス帝の命により編纂された「ローマ法大全」は、古代ローマ帝国の膨大な法律文書を体系的にまとめた法典です。 東ローマ帝国では、ラテン語で書かれたローマ法の解釈が難しくなっていたため、ユスティニアヌス帝は法の再編を命じました。
法典の構成
「ローマ法大全」は、「学説彙纂」「ローマ法 Institutes」「新勅法」の3つの部分から構成されています。
* **学説彙纂 (Digesta)**:紀元前2世紀から紀元3世紀にかけて活躍したローマ法学者の著作の中から、重要な部分を抜粋・編集したものです。 全50巻からなり、契約法、家族法、財産法、刑法など、幅広い分野の法律を網羅しています。
* **Institutes (Institutiones)**:ローマ法の初学者向けの教科書として、ガイウスの「Institutes」を参考に編纂されました。 全4巻からなり、ローマ法の基本的な概念や原則を解説しています。
* **新勅法 (Novellae Constitutiones)**:ユスティニアヌス帝自身が制定した新しい法律を集めたものです。 全168の勅令からなり、ユスティニアヌス帝の治世における法改正の内容を知ることができます。
ローマ法大全の影響
「ローマ法大全」は、その後のヨーロッパの法発展に多大な影響を与えました。 中世ヨーロッパでは、大学において「ローマ法大全」が研究され、その内容は教会法や大陸法など、後の時代の法体系の基礎となりました。