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ヤスパースの理性と実存の面白さ

## ヤスパースの理性と実存の面白さ

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限界状況における実存の覚醒

ヤスパースは、私たち人間が日常生活においては、物事を客観的に捉え、合理的に行動しようとする「実存的でない状態」に陥りがちであると指摘します。しかし、病気、死、苦悩、罪など、私たち自身の存在を根底から揺るがすような「限界状況」に直面したとき、私たちは、もはや合理的な思考や行動の枠組みでは捉えきれない、実存的な問いへと否応なく向き合うことになります。

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超越者との対峙における実存の深化

ヤスパースは、私たちが限界状況において直面する究極的な問いは、「超越者」への問いかけであると述べています。超越者とは、神、絶対者、無限者など、人間の理性では完全に把握しきれない存在を指します。私たちは超越者との対峙を通じて、自身の有限性、不完全さを痛感すると同時に、それを超えた存在への希求、畏怖、信仰といった実存的な感情を抱くことになります。

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コミュニケーションによる実存の共有

ヤスパースは、実存は本質的に孤独なものであると同時に、他者とのコミュニケーションを通じて深められるものであるとも考えています。私たちは、他者との対話や共感を通じて、自分とは異なる視点や価値観に触れ、自身の存在を相対化することができます。また、他者と共通の限界状況を分かち合うことを通じて、連帯感や共感性を育み、実存的な孤独を克服していくことも可能となります。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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