Skip to content Skip to footer

モンテーニュのエセーの話法

## モンテーニュのエセーの話法

モンテーニュのエセーにおける自己言及的な語り口について解説してください。

モンテーニュのエセーは、古代ギリシャ語で「試み」を意味する「エッセイ」の語源に忠実に、彼自身の内面的な試行錯誤をありのままに綴ったものです。その特徴は、何よりもまず、徹底した自己言及的な語り口にあります。

モンテーニュは、「私」という一人称を多用し、自身の経験や思考、感情を率直に吐露します。
読者は、まるでモンテーニュと対話しているかのように、彼の内面世界を旅することになります。

彼は自らの矛盾や欠点、愚かささえも隠そうとせず、むしろそれらを赤裸々に告白することで、人間存在の複雑さや不完全さを浮き彫りにしようとします。

さらに、モンテーニュは一つのテーマについて論じる際も、明確な結論を急ぐことはありません。
彼は次々と連想を展開し、時には脱線や逆説を交えながら、多様な角度から思考を深めていきます。

この自由で断片的な思考の過程こそが、モンテーニュのエセーの大きな魅力の一つと言えるでしょう。
読者は、彼の思考の迷宮を辿ることで、自らの内面にも新たな発見をすることになるかもしれません。

モンテーニュのエセーにおける引用の役割について解説してください。

モンテーニュのエセーは、古代ギリシャ・ローマから同時代の思想家まで、膨大な量の引用が散りばめられていることも特徴です。

彼は、自らの思考の根拠を示すために、あるいは先人の知恵を借りるために、あるいは単に自分の気に入った文章を共有するために、様々な書物から引用を駆使します。

しかし、モンテーニュにとって引用は単なる装飾ではありません。
彼は引用を自分自身の思考の材料として消化し、独自の解釈を加えることで、新たな文脈に位置づけ直しています。

時には、原文の意味を拡大解釈したり、逆手に取ったりすることで、皮肉やユーモアを表現することもあります。

このように、モンテーニュは引用を通して、過去の思想との対話を試みながら、自らの思考を深化させていくのです。
彼のエセーは、豊かな学識に裏打ちされながらも、決して権威主義に陥ることのない、自由で創造的な精神に満ち溢れています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5